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スパムだと思ったメッセージ

8月26日
読了時間: 3分

昨日の朝、英語でメッセージが届いた。


その日の「ウォーク」に空きはあるか。


そのようなことが書かれていた。


電話番号を見ると、南アフリカの国番号だった。


文章も少し不自然だったので、正直なところ、最初はスパムではないかと思った。



それでも、念のために返信した。


何度かやり取りをすると、「ウォーク」は単なる入力ミスで、その日のセッションを予約したいということがわかった。


詳しい症状までは聞かなかった。


ちょうどその日の枠に空きがあったので、目黒のサロンへお越しくださいと案内した。


ただ、実際に顔を見るまでは、本当に来るのだろうかという不安も少しあった。


ところが、彼は約束の時間どおりにやって来た。



まず、どうやってカラダナオルを見つけたのか尋ねてみた。


「インターネットで検索した」


その答えにも驚いた。


話を聞くと、世界各地を旅しながら生活しているという。


1年のうち半年ほどを南アフリカで過ごし、残りの半年はさまざまな国を渡り歩いているらしい。


日本を訪れるのは、今回が初めてだった。


施術前から、いろいろな話で盛り上がった。


特に驚いていたのが、日本の夏である。


南アフリカ出身の彼も、


「日本がこんなに暑いとは思わなかった」


「この湿気はすごい」


と何度も口にしていた。


暑さだけではない。


湿度を含めた日本の夏は、彼にとっても相当こたえるらしい。



身体の状態について話を聞いたあと、施術を始めた。


私が身体に触れると、かなり強い反応が現れた。


すると彼は、静かに言った。


「僕は、とてもスピリチュアルなんだ」


本人にも、その反応について何か心当たりがあったのかもしれない。


世界中を移動し、さまざまな土地に滞在し、多くの人と出会っている。


それだけ移動を続けていれば、気候や食事、時差だけでなく、場所の空気や人の状態など、目には見えない影響も受けるのだろう。


もちろん、何が原因なのかを明確に言い切ることはできない。


私はただ、彼の身体を見ながら、自分が違和感を覚えたところをひとつひとつ整えていった。



施術を終えて、気分を尋ねた。


「すごくいい」


彼は、そう答えてくれた。


その後も、しばらく話をした。


特に印象に残ったのは、彼のこの言葉だった。


「日本人が、こんなに親切だとは思わなかったよ」



考えてみれば、日本人は困っている人を見ると、相手が外国人であっても、かなり自然に助けようとする。


道を案内する。


荷物を持つ。


言葉が通じなくても、何とか伝えようとする。


もちろん、親切なのは日本人だけではない。


私自身、これまで世界中を旅する中で、多くの国の人たちに助けてもらった。


どの国にも、困っている人を放っておけない人はいる。


それでも日本人は、最初は少し無表情で、よそよそしく見えるのかもしれない。


だからこそ、実際に接した時の親切さとの違いが、彼には新鮮だったのだろう。



南アフリカから来た旅行者が、日本に滞在している短い期間の中で、目黒にある小さなサロンを見つける。


しかも、連絡をくれたその日に偶然予約枠が空いていて、実際に時間どおりやって来る。


いくつもの条件が重ならなければ、あの出会いはなかった。


ほとんど偶然のようでありながら、どこか不思議な縁でもある。



最初は、スパムだと思った。


けれど、その短い英語のメッセージの向こう側には、南アフリカから日本を訪れた、ひとりの旅人がいた。

 
 
 

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