タンゴで膝の痛みが消える
- Admin
- 7月6日
- 読了時間: 4分

先週の木曜日の夕方、タンゴ友達から連絡があった。
「今日、ミロンガに行かない?」
という誘いだった。
その日は思ったより仕事が長引いて、通知を見たのは夜の8時過ぎだった。
特にそのあと予定があったわけでもない。
そのまま家に帰るだけだったので、車を四谷へと走らせ、友達と合流することにした。
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当然、タンゴを踊る準備などしていなかった。
車に入れっぱなしにしていたタンゴシューズを取り出し、そのまま踊りに行った。
久しぶりに履くシューズだった。
あまり気にせず踊り始めたのだが、やたらと足が滑る。
何度も滑る。
自分でもおかしいと思うくらい滑る。
一緒に踊っていた友達にも、
「あなた、どうしたの?」
と聞かれてしまった。
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あとでシューズをよく見てみると、底がもう完全にツルツルだった。
グリップがまったく効かない。
滑るのも当然だった。
その日は、いつも以上に足で床をつかもうとしていたのだと思う。
自然ではない力が入っていた。
それでも何とかその場を切り抜けて、帰った。
翌日、左膝が痛いことに気づいた。
膝を曲げると、ピキンと嫌な痛みが走る。
これはまずいと思い、自分でできる範囲の手当をした。
すると痛みの半分くらいは取れた。
ただ、膝を深く曲げようとすると、やはり痛みが残る。
90度を越えるあたりから、嫌な痛みが出る。
これはしばらく無理をしない方がいいと思った。
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金曜日は特に大きな予定もなかったので、温泉に行って、ゆっくり過ごした。
膝の回復を促すつもりだった。
土曜日には、ディエゴとアルダナのプライベートレッスンが入っていた。
できれば、それまでに少しでも状態を上向かせたかった。
だから負荷のかかる動きは避けた。
運動も体操もしない。
仕事だけをして、できるだけ膝に余計なことをしないようにした。
すると夕方、アルダナから連絡があった。
仕事の都合で、レッスンをキャンセルしたいとのことだった。
残念ではあった。
けれど、どこかで少し納得もした。
これは、今は無理をしない方がいいということなのかもしれない。
そう思って、そのまま受け入れた。
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日曜日は、彼らのショーがあった。
それは楽しみにしていたので、踊りに出かけた。
膝の状態は、正直、金曜日からあまり変わっていなかった。
曲げると痛い。
深く曲げようとすると、まだ嫌な痛みがある。
だからその日は、左足にあまり重心をかけないように踊ろうと思っていた。
無理はしない。
そう決めていた。
⸻
ところが、その会場はショーのためにかなり広いスペースが取られていた。
踊り始めると、思った以上に気持ちよく動けた。
気づけば、自分の左膝のことを少し忘れていた。
それなりに激しく踊っていた。
というより、だいぶ調子に乗っていたのだと思う。
一緒にいた友達から、
「あなた、ショーじゃないんだから」
と言われた。
さらに、
「デモしてるわけじゃないんだから」
とも言われた。
たしかに、その通りである。
こちらはただの一般参加者である。
しかも、膝が痛いはずの人間である。
それなのに、なぜか広い床を見ると、身体が勝手に張り切ってしまう。
困ったものだ。
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一度だけ、左膝にピキンと痛みが走った。
その時は、さすがにこれはいけないと思った。
そこからは無理な動きは避けた。
それでも、休み休みではあるが、3、4時間ほど踊り続けた。
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帰り道、ふと気づいた。
左膝の痛みが消えていた。
これは、アドレナリンやドーパミンのせいだろうと思った。
踊って興奮しているから、今だけ痛みを感じていないだけだろう。
明日になれば、また痛みは戻ってくる。
そう思っていた。
けれど、今日になっても特に問題がない。
膝も普通に曲がる。
曲げても、今のところ痛みは出ていない。
もちろん、無理をするつもりはない。
しばらくは気をつけながら身体を使うつもりだ。
⸻
それにしても、不思議なものだと思う。
滑るシューズで踊って、膝を痛めた。
その膝の痛みが、またタンゴを踊ることで消えた。
休ませることで戻ることもあれば、動かすことで戻ることもある。
タンゴで膝の痛みが治る。
そんなことを簡単に言うつもりはない。
ただ、少なくとも私の身体には、そういう不思議なことが起きた。



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