「頼られすぎる人」が痛みを抱えることについて
- Admin
- 6 日前
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Mさんは、ロサンゼルスで開催したワークショップに参加してくださった方だった。
持病を抱える息子さんも、二度ほど連れて来られていた。
最初のきっかけは、無料ワークショップだったと思う。
その時、首に痛みがあったらしいが、短時間でかなり楽になったとのことで、それ以来、信頼していただけるようになった。
それからしばらくして、日本へ戻っていた頃のことだ。
MさんからZoomセッションの予約が入った。
話を聞くと、突然、脇腹に刺されるような激痛が走り、立っていられないほど苦しくなったらしい。
仕方なく救急車を呼び、そのまま病院へ搬送された。
アメリカで救急車を呼ぶというのは、日本以上に大事である。
しかも、集中治療室で6時間ほど検査を受けたにもかかわらず、結局原因はわからなかったという。
その後も週3回ほどカイロプラクティックへ通ったらしいが、一向に改善しなかった。
そこで、私に連絡が来た。
ZoomでMさんを見た瞬間、まず感じたのは、
「刺さっている」
という感覚だった。
しかも一つではない。
脇腹だけではなく、全身に、たくさんの“人の感情”のようなものが刺さっている。
もちろん、これは医学的な話ではない。
ただ、長年身体を見ていると、
「この人、自分以外のものを背負いすぎているな」
と感じる瞬間がある。
Mさんは、とても優しい方だった。
人から頼られやすい。
相談されやすい。
家族のことも、周囲のことも、真面目に受け止める。
「頼りにされる」
というのは、一見すると良いことのように聞こえる。
でも、頼られすぎるのも問題なのだと思う。
本来、人はそれぞれ自分の人生を生きている。
自分の問題は、自分で向き合う必要がある。
誰か一人が、周囲全員の重みを背負う必要はない。
もちろん、助け合いは大切だ。
でも、“抱え込む”こととは違う。
私は、とりあえずその時、Mさんの身体に刺さっている感覚を一つずつ抜いていった。
根こそぎ引き抜くようなイメージだった。
すると、Mさんが驚いたように言った。
「いったい何が起こっているの?」
そして続けて、
「痛みが消えた……。」
喜びというより、驚きの方が強そうだった。
私は後から、こんな話をした。
これからは、
「頼られすぎないこと」
を意識してください、と。
自分のケアを後回しにしないこと。
そして、たとえ息子さんであっても、“別人格”として切り離して見ること。
愛情と、抱え込みは違う。
そこが混ざり始めると、人は少しずつ自分の境界線を失っていく。
身体というのは、本当に不思議だと思う。
人間関係が変わると、急に痛みが消えることもある。
逆に、環境や関係性のストレスが積み重なることで、原因不明の不調として現れることもある。
もちろん、すべてを感情や人間関係で説明するつもりはない。
そんな単純な話ではない。
ただ、
病院で異常がない。
でも、本人は確かに苦しい。
そういうことは、現実に存在している。
私は最近、
身体を見るということは、
その人の「人間関係」や「生き方」を見ることでもあるのだと、強く感じている。
そして、
人はもう少し、
“自分の人生だけを生きてもいい”
のかもしれない。



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