スパムだと思ったメッセージ

昨日の朝、英語でメッセージが届いた。
その日の「ウォーク」に空きはあるか。
そのようなことが書かれていた。
電話番号を見ると、南アフリカの国番号だった。
文章も少し不自然だったので、正直なところ、最初はスパムではないかと思った。
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それでも、念のために返信した。
何度かやり取りをすると、「ウォーク」は単なる入力ミスで、その日のセッションを予約したいということがわかった。
詳しい症状までは聞かなかった。
ちょうどその日の枠に空きがあったので、目黒のサロンへお越しくださいと案内した。
ただ、実際に顔を見るまでは、本当に来るのだろうかという不安も少しあった。
ところが、彼は約束の時間どおりにやって来た。
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まず、どうやってカラダナオルを見つけたのか尋ねてみた。
「インターネットで検索した」
その答えにも驚いた。
話を聞くと、世界各地を旅しながら生活しているという。
1年のうち半年ほどを南アフリカで過ごし、残りの半年はさまざまな国を渡り歩いているらしい。
日本を訪れるのは、今回が初めてだった。
施術前から、いろいろな話で盛り上がった。
特に驚いていたのが、日本の夏である。
南アフリカ出身の彼も、
「日本がこんなに暑いとは思わなかった」
「この湿気はすごい」
と何度も口にしていた。
暑さだけではない。
湿度を含めた日本の夏は、彼にとっても相当こたえるらしい。
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身体の状態について話を聞いたあと、施術を始めた。
私が身体に触れると、かなり強い反応が現れた。
すると彼は、静かに言った。
「僕は、とてもスピリチュアルなんだ」
本人にも、その反応について何か心当たりがあったのかもしれない。
世界中を移動し、さまざまな土地に滞在し、多くの人と出会っている。
それだけ移動を続けていれば、気候や食事、時差だけでなく、場所の空気や人の状態など、目には見えない影響も受けるのだろう。
もちろん、何が原因なのかを明確に言い切ることはできない。
私はただ、彼の身体を見ながら、自分が違和感を覚えたところをひとつひとつ整えていった。
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施術を終えて、気分を尋ねた。
「すごくいい」
彼は、そう答えてくれた。
その後も、しばらく話をした。
特に印象に残ったのは、彼のこの言葉だった。
「日本人が、こんなに親切だとは思わなかったよ」
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考えてみれば、日本人は困っている人を見ると、相手が外国人であっても、かなり自然に助けようとする。
道を案内する。
荷物を持つ。
言葉が通じなくても、何とか伝えようとする。
もちろん、親切なのは日本人だけではない。
私自身、これまで世界中を旅する中で、多くの国の人たちに助けてもらった。
どの国にも、困っている人を放っておけない人はいる。
それでも日本人は、最初は少し無表情で、よそよそしく見えるのかもしれない。
だからこそ、実際に接した時の親切さとの違いが、彼には新鮮だったのだろう。
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南アフリカから来た旅行者が、日本に滞在している短い期間の中で、目黒にある小さなサロンを見つける。
しかも、連絡をくれたその日に偶然予約枠が空いていて、実際に時間どおりやって来る。
いくつもの条件が重ならなければ、あの出会いはなかった。
ほとんど偶然のようでありながら、どこか不思議な縁でもある。
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最初は、スパムだと思った。
けれど、その短い英語のメッセージの向こう側には、南アフリカから日本を訪れた、ひとりの旅人がいた。



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