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92歳で、まだもっと

9月29日
読了時間: 3分

昨日、妻とたまたまYouTubeで、デザイナー・人形作家の粟辻早重さんの動画を見た。


92歳。


冒頭から、なかなか飛ばしていた。


あと5年、生きられるかな、と話す。


92歳で、さらに5年先を考えている。そのことが、まず素晴らしいと思った。


私は、長生きそのものが人生の目的だとは思っていない。


ただ長く生きればいい、というものでもないだろう。


しかし、粟辻さんを見ていると、日々の暮らしを楽しみ、自分のやりたいことを続けながら、92歳になったことが伝わってくる。


こういう年の取り方は、いいなと思う。


⸻


身体を動かしたり、自分の体重でぶら下がったりもしている。


背筋がぴんとしているのが印象的だった。


ご本人は、運動なんて好きではない、というような調子で話す。


それでも、自分に必要だと思うことは、きちんとやっている。


そのあたりも面白い。


健康のために頑張っています、という気負いがあまり感じられない。


もちろん、何も努力していないわけではないだろう。


ただ、傍から見ると努力に見えることが、ご本人にとっては日々の当たり前になっているのかもしれない。


⸻


特に心に残ったのは、過去の自分の作品を見ながら、今の自分ももっと頑張らなければ、という趣旨のことを話していた場面だった。


昔はよかった、と懐かしむだけではない。


過去の自分を見て、今の自分に発破をかけている。


92歳になっても、まだもっとできると思っている。


その感覚が、とてもよかった。


年齢を重ねれば、できなくなることもあるだろう。


それでも、自分の中にまだ何かあると思える。これからつくるものに、期待を持っている。


そういう気持ちを、私も持ち続けたいと思った。


⸻


暮らしている空間も、粟辻さんのセンスに溢れていた。


たくさんのやかんや、家具、身の回りのもの。


一つひとつに、ご本人の好みが感じられる。


そうしたものに囲まれて、毎日を過ごしている。


生きがいは小さなところにある、という話も、その暮らしを見ているとよく分かる気がした。


何か大きなことを成し遂げるためだけに、生きているわけではない。


好きなものがあり、つくりたいものがあり、今日もそれに向き合う。


その積み重ねで92歳になったのだとしたら、なんとも豊かな人生だと思う。


⸻


私が粟辻さんの年齢まで元気に生きるとしたら、まだまだ先は長い。


もちろん、何歳まで生きるかは分からない。


それでも、90歳になっても、100歳になっても、今よりもう少しできることがあると思っていたい。


昔の自分の仕事を見て、今の自分ももっと頑張らないと、と思えるだろうか。


そういう年の取り方ができたら、うれしい。


[粟辻早重さんの動画「うんともすんとも日和」](https://youtu.be/SJ2B2D8TCYA)

 
 
 

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