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育てる人と、使う人
今日は庭に出て、大葉を摘んだ。 少し前に収穫し、干してあったニンニクも一つ取った。 豚肉と合わせて、ペペロンチーノを作ることにした。 大葉も、ニンニクも、自家栽培である。 ただし、育てたのは私ではない。 すべて、お義父さんである。 ⸻ お義父さんが土を耕し、苗を植え、水をやる。 私は、その過程にはほとんど関わっていない。 気がつくと、庭に何かができている。 だから、自家栽培の野菜に囲まれて暮らしてはいるが、どこか部外者のような感覚がある。 自分で育てたわけではない。 けれど、収穫された野菜が台所へ入ってきた瞬間から、話が変わる。 料理を担当しているのは私だからだ。 育てるのは、お義父さん。 どう使うかを考えるのは、私。 私がいない時は、妻。 そういう分担になっている。 ⸻ 自家栽培という言葉には、どこか穏やかな響きがある。 庭から必要な分だけ摘み、新鮮なうちに料理する。 そんな暮らしを想像する。 けれど、実際は少し違う。 野菜は、こちらの献立に合わせて育ってくれるわけではない。 採れる時には、同じものが一度に大量に採れる。 そして、お義父さんは育
Admin
7月18日読了時間: 3分


痛みが消えたことと、治ったことは違う
「タンゴで、膝の痛みが消えた」という記事を書いてから、十日以上が経った。 あの時、左膝の痛みが消えたのは事実だった。 https://note.com/just_parrot8424/n/n1429b3473da2 深く曲げても痛くない。 翌日になっても、痛みは戻らなかった。 こんなこともあるのかと思った。 そして、少し調子に乗った。 ⸻ 記事を書いた翌日の火曜日、友人を誘って、またタンゴを踊りに行った。 膝はもう大丈夫だと思っていた。 踊っている途中で、腰に少し違和感があった。 けれど、その時はあまり気にしなかった。 膝も痛くない。 身体も動く。 そのまま、かなり踊った。 というより、また踊りすぎた。 ⸻ 翌朝、背中の下の方が固まっていた。 いわゆる腰のあたりである。 動かすと、かなり痛い。 特に、右側の背中の下部がガチガチになっていた。 自分の感覚では、腰そのものを痛めたというより、筋肉を使いすぎたのだと思った。 左膝をかばい、左足に重心を乗せることを、身体が無意識に避けていたのかもしれない。 その分、右足ばかりを使う。 右側で身体を支える。
Admin
7月17日読了時間: 4分


ウィーンという地名から
今日、オーストリアの首都、ウィーンに住んでいるお客様がお見えになった。 オーストリア人と結婚し、現在は現地で暮らしているという。 今日は息子さんも一緒に連れてきてくださった。 息子さんの身体にも無事に変化が現れ、お母様ご自身が抱えていたいくつかの不調にも変化があった。 満足された様子で帰っていかれた。 ⸻ ウィーンという地名を聞くと、私はいつも橋本さんのことを思い出す。 橋本さんとは、もう二十年以上の付き合いになる。 シンバルや鉄琴、木琴などを演奏する打楽器奏者だった友人だ。 ウィーン大学に留学し、のちにアジア人で初めてウィーン・フィルのゲストプレイヤーを務めた。 サントリーホールで演奏したこともあるという。 なかなか華やかな経歴である。 けれど、橋本さんをよく表しているのは、華やかな経歴よりも、その周辺にある話の方だと思う。 ⸻ 橋本さんは、クラシックのオーケストラを辞めた。 理由はいくつかあったらしい。 その一つが、シンバルを鳴らすまでの時間だった。 一時間半、小節を数え続ける。 そして、決められた一瞬にシンバルを鳴らす。 その一打のために、
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7月16日読了時間: 4分


こんな日に、草を刈るものではない
今日は朝早く起きて、宮薙の準備を始めた。 宮薙という名の、草刈りの日である。 五月にも一度、みんなで草を刈った。 けれど、今日は七月十五日だった。 最高気温は33度を超え、千葉県には熱中症警戒アラートも出ていた。 草刈りをするには、なかなか厳しい日である。 ⸻ 黒い帽子をかぶり、長袖のシャツを着て、完全防備で草刈りを始めた。 それでも、とにかく暑い。 暑さには、なかなか慣れることができない。 三十分ほど作業したところで、早速休憩することになった。 神社にはエアコンがない。 我が家はすぐ隣なので、一度家へ戻り、エアコンの下で身体を冷やした。 休憩が終わると、また外へ出る。 そして、また草を刈る。 ⸻ 作業は朝九時に始まり、十時半頃に終了した。 終わると同時に家へ戻り、水のシャワーを浴びた。 シャツは汗で完全に濡れていた。 今日は一日のうちに、三回か四回、服を着替えた。 着替えても、すぐに滝のような汗が出てくる。 こんな日に、草を刈るものではない。 心の底から、そう思った。 ⸻ 宮薙の日は、神社にとって新しい一年が始まる日でもある。 いわば、元日のよ
Admin
7月15日読了時間: 3分


源泉かけ流しのあるシェラトン
今回の神戸では、神戸ベイシェラトンホテル&タワーズに三泊した。 このホテルを選んだ理由は、はっきりしている。 源泉かけ流しの温泉があるからだ。 神戸での施術会は、朝8時半から夕方5時まで続く予定だった。 終わったあと、そのままホテルへ戻り、温泉に入ることができる。 それを考えて、施術会の前日から三泊することにした。 ⸻ 施術会当日は、一人ひとり、順番に施術を行った。 初めてお目にかかる方も多かった。 身体を見ながら、いろいろな話を聞いた。 気がつけば、夕方5時になっていた。 施術会を終えると、そのままホテルへ戻った。 そして、すぐに温泉へ入った。 湯に浸かると、一日中張っていた身体が、少しずつほどけていった。 生き返った。 大げさではなく、そういう感じだった。 施術をする側の身体も、当然疲れる。 人の身体を見るということは、自分の身体も使っているということなのだと思う。 ⸻ 神戸ベイシェラトンには、自家源泉100%の源泉かけ流しの温泉がある。 浴衣とスリッパのまま、専用のエレベーターで温泉へ行くことができる。 シェラトンという外資系ホテルでありな
Admin
7月14日読了時間: 4分


神戸へ向かう日
「今日、どこへ行くんだっけ?」 妻に聞かれた。 以前から、何度も神戸だと伝えている。 けれど、妻の記憶というのは、まあ、そういうものだ。 ⸻ 正確に言えば、まず神奈川、それから神戸だ。 神奈川では、母の誕生日を祝う家族の集まりがある。 今年で79歳になる。 妻と一緒にその集まりに参加し、そのまま車で神戸へ向かう予定だ。 本当は午前中に出発したかった。 けれど、レストランの予約が午後1時からしか取れなかった。 そのため、神奈川を出るのは午後になる。 神戸に到着するのは、深夜になるだろう。 ⸻ 休憩を挟みながら、無理をせずに走るつもりだ。 急いでいるわけではない。 途中で食事をしたり、少し眠ったりしながら、ゆっくり向かう。 長い運転になるが、妻と二人で遠くへ行くのは、去年カナダのトロントへ行って以来かもしれない。 そう考えると、少し楽しみになってくる。 ⸻ 明日は、神戸で施術会を行う。 朝8時半から夕方5時まで、一人ひとり、順番にセッションをする予定だ。 初めてお目にかかる方も多い。 どんな身体に出会うのか。 どんな話を聞くことになるのか。 今から楽
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7月11日読了時間: 2分


お義父さんがいない日
今日の朝、お義父さんがゴルフへ出かけた。 前日に、 「昼も夜もいないから」 と伝言を残していった。 それだけのことなのだが、朝から少し家の空気が違っていた。 ⸻ お義父さんがいる時は、昼は12時、夜は7時と、食事の時間が決まっている。 その時間に合わせて、私たちも食べることになる。 けれど、二人だけの時は自由だ。 今日はとてもお腹が空いていたので、11時半頃に昼ご飯を食べた。 誰かに合わせる必要がない。 それだけで、少し気持ちが軽くなる。 ⸻ 食事を作るというのは、案外大変なことだ。 何を作るのか。 どれくらい作るのか。 昼と夜で何を変えるのか。 毎回、それを考えなければならない。 私の場合は、昼と夜の二食だけなので、まだ恵まれている方だと思う。 お義母さんは、朝、昼、晩と、七人分の食事を毎日用意していた。 それを二十年、三十年と続けていた。 改めて考えると、頭が下がる。 ⸻ 家族が一人増えるということは、食事が一人分増えるということでもある。 もちろん、それだけではない。 生
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7月10日読了時間: 6分


しめ縄を買う日
今週の土曜日、神奈川で家族の集まりがある。 母の満79歳の誕生日を祝う予定だ。 妻と一緒にその集まりに参加し、そのまま車で神戸へ向かう。 神戸では施術会がある。 せっかくなので、数日滞在して、神戸を少し観光するつもりでいる。 車で街を走ったり、海を見たり、知らない場所を歩いたり。 そういう時間も、久しぶりに取れそうだ。 ⸻ 本当は、もう少し長く旅をする予定だった。 四泊五日くらいで、帰りに伊豆あたりの老舗旅館にも泊まろうとしていた。 少しゆっくりして帰るつもりだった。 ところが、すっかり忘れていたことがあった。 7月15日。 宮薙の日である。 うちの神社の風習では、この日から新しい一年が始まる。 そして、私たちが氏子になる日でもある。 人生の一大イベントが始まる。 そう言っていたわりに、その大事な日を忘れていた。 慌てて老舗旅館をキャンセルし、7月14日の夜には帰るように予定を組み直した。 我ながら、少し危うい。 ⸻ 以前の自分たちなら、どうしていただろうと思う。 せっかく予約した旅館だし。 せっかくの旅行だし。 自分たちの予定を優先していたかも
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7月9日読了時間: 3分


ひねることを忘れた身体
今日、久しぶりに茶道の先生をされている男性がお見えになった。 初めてお越しになったのは、もう三、四年前になるだろうか。 当時は膝を悪くされていて、深く曲げることができなかった。 常連さんからのご紹介で、何度か施術をさせていただいた。 ⸻ 茶道の先生なので、正座をする機会が多い。 しかも、所属されている流派では、正座の状態から一度で立ち上がらなければならない場面があるという。 最初にお越しになった時は、膝が曲がらなかった。 当然、正座から立ち上がることも難しかった。 それが今では、普通にできている。 三、四年経って、改めて見ると、かなりの回復だと思う。 正座ができるようになった息子さんを見て、お母様を連れてこられたこともあった。 その時、お母様は92歳だった。 今は95歳になられたそうだ。 ⸻ 今回は、膝ではなかった。 気になるのは腰とのことだった。 身体を見ていくと、肋骨の上部と下部の動きがかなり狭くなっていた。 胸郭全体が固まり、可動域が小さくなっている。 膝が悪くなる原因も、腰がつらくなる原因も、必ずしもその場所だけにあるとは限らない。 身体
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7月7日読了時間: 3分


タンゴで膝の痛みが消える
先週の木曜日の夕方、タンゴ友達から連絡があった。 「今日、ミロンガに行かない?」 という誘いだった。 その日は思ったより仕事が長引いて、通知を見たのは夜の8時過ぎだった。 特にそのあと予定があったわけでもない。 そのまま家に帰るだけだったので、車を四谷へと走らせ、友達と合流することにした。 ⸻ 当然、タンゴを踊る準備などしていなかった。 車に入れっぱなしにしていたタンゴシューズを取り出し、そのまま踊りに行った。 久しぶりに履くシューズだった。 あまり気にせず踊り始めたのだが、やたらと足が滑る。 何度も滑る。 自分でもおかしいと思うくらい滑る。 一緒に踊っていた友達にも、 「あなた、どうしたの?」 と聞かれてしまった。 ⸻ あとでシューズをよく見てみると、底がもう完全にツルツルだった。 グリップがまったく効かない。 滑るのも当然だった。 その日は、いつも以上に足で床をつかもうとしていたのだと思う。 自然ではない力が入っていた。 それでも何とかその場を切り抜けて、帰った。.
Admin
7月6日読了時間: 4分


火事の翌日から、腕が上がらなくなった人
去年、ロサンゼルスでワークショップを開いた。 8月と10月。 二度、ロサンゼルスに行った。 8月に行った時は、ワークショップだけでなく施術会も行った。 アメリカ人だけでなく、いろいろな国の方が来てくださった。 その中で、一人とても印象に残っている方がいる。 ⸻ 症状でいえば、五十肩だった。 左腕が上がらない。 それだけ聞くと、よくある肩の不調のように思える。 けれど、その方の話を聞いて、少し考え込んでしまった。 その方は、ロサンゼルスの大火災を経験されていた。 家そのものは燃えなかった。 けれど、水が出なくなり、しばらく住まいを離れなければならなくなったという。 生活の場所を、一時的に失う。 自分の家にいられなくなる。 それだけでも、身体には相当な負担だったのだと思う。 そして、その大火災の翌日から、左腕がまったく上がらなくなった。 ⸻ 身体は不思議だ。 火事と肩。 避難と五十肩。 一見すると、つながりがないように見える。 けれど、身体を見ている と、そう簡単に切り分けられないことがある。 左側には心臓がある。 もちろん、医学的にそれが直接の原因
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7月5日読了時間: 3分


二年ぶりのお客様に言われたこと
今日、久しぶりにお客様がお見えになった。 おそらく、二年ぶりくらいになるだろうか。 一通り施術を終えたあと、その方にこう言われた。 「松岡先生、パワーアップされましたね」 自分では、特にパワーアップしたという自覚はなかった。 けれど、そう言われてみると、この一、二年はいろいろなことがあった。 ⸻ まさか自分が、中目黒のマンションから千葉に引っ越すことになるとは思っていなかった。 しかも、お義父さんと一緒に暮らすことになるとも思っていなかった。 それまで一緒に生活したことのなかった人と、毎日同じ家で暮らす。 これは、なかなか大きな変化だった。 もちろん楽しいことばかりではない。 気を遣うこともある。 生活のリズムも違う。 けれど、そういう日々の中で、自分の中の何かが少し鍛えられた感じはある。 ⸻ 今の家は、右隣が神社で、左隣がお寺である。 なかなか特殊な立地だと思う。 最初は少し不思議な感じがしたが、住んでいるうちに、身体がよく休まる場所だと感じるようになった。 以前は、神社にお参りするのは年に一、二回くらいだった。 それが今では、毎週のように隣の
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7月4日読了時間: 3分


一人で温泉に行く時間
よく、近所の日帰り温泉に行く。 車で十分ほどの距離にある。 源泉かけ流しの温泉で、気が向くと、ふらっと一人で行く。 もちろん、毎日家のお風呂にも入る。 ただ、家のお風呂に入っている時は、やはりどこかで家の気配がある。 妻がいる。 お義父さんがいる。 一緒に暮らしている人たちの存在が、どこかにある。 それはそれで、悪いものではない。 けれど、完全に一人になる時間とは、少し違う。 ⸻ 近所の温泉に行く時は、いつも一人だ。 車に乗って、十分ほど走る。 受付をして、服を脱いで、湯船に入る。 それだけのことなのに、身体の中の何かが少しほどける。 温泉に浸かっている間は、スマホもない。 仕事もない。 家族もいない。 誰かに連絡を返す必要もない。 何かを考えなければいけないわけでもない。 ただ一人で、湯に浸かっている。 ぼーっとしている。 それだけの時間だ。 ⸻ でも、案外そういう時間を持っていない人は多いのではないかと思う。 常に何かに追われている。 仕事に追われる。 家族に追われる。 予定に追わ
Admin
7月3日読了時間: 3分


魔女の宅急便を、IMAXで観た
昨日、『魔女の宅急便』の4KリマスターをIMAXで観た。 圧倒的な映像美だった。 そして、あらためてストーリーテリングのすごさに驚いた。 子どもの頃に観た映画が、まったく違う形で自分の心に響いた。 そのことに、少し驚いた。 ⸻ 去年、映画館で観た映画の中で一番よかったのは、『もののけ姫』の4KリマスターIMAX版だった。 あれは本当に素晴らしかった。 そして今年は、おそらく『魔女の宅急便』になると思う。 37年前の映画である。 それをIMAXで観ている。 にもかかわらず、まったく古さを感じなかった。 むしろ、今の映画よりもずっと新鮮に感じる瞬間があった。 ⸻ 説教臭いメッセージがない。 わかりやすい正解を押しつけてこない。 大きな声で感動させようとしない。 ただ、映像がある。 街がある。 風がある。 人がいる。 そして、いくつもの会話がある。 その一つひとつが、淡々と心に入ってくる。 映画とは、本来こういうものなのではないかと思った。 ⸻ 観ている時間は、あっという間だった。 けれど、と
Admin
7月2日読了時間: 2分


子どもを、所有物にしない
以前、九州の施術会に呼んでいただいたことがある。 二日間にわたって、二十数名の方を施術した。 いろいろな方に来ていただき、本当にありがたかった。 その中に、七十代の男性がいた。 その方が、ご自身の娘さんについて、こう言った。 「うちの娘は、反抗期なんです」 ほう、と思った。 よく聞いてみると、娘さんはすでに四十代だった。 ⸻ もちろん、親にとって子どもはいくつになっても子どもなのだと思う。 それは、わからなくもない。 小さかった頃の記憶。 手を引いて歩いた記憶。 心配した記憶。 そういうものは、簡単には消えない。 けれど、子どもは親の所有物ではない。 親の延長でもない。 たとえ自分の子どもであっても、まったく別の人格である。 ⸻ 親は、子どものことをよく知っているようで、実は知らない。 もちろん、長く見てきたからこそわかることはある。 けれど、完全にはわからない。 その人が何を感じているのか。 何を選びたいのか。 何を苦しんでいるのか。 どこへ向かおうとしているのか。 それは、本人にしかわからない部分が必ずある。 ⸻ 親がいつまでも、 「親」 と
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7月1日読了時間: 2分


誰よりも長く生きるという野望
昨日、東京へ向かう車の中で、妻が中村うさぎさんのYouTubeの話を始めた。 中村うさぎさんは、これまでいろいろな病気をされてきた方だ。 一度、倒れて意識を失い、そのまま命を落としてもおかしくないような経験もされているらしい。 そのYouTubeで、終活についての相談があったという。 終活を始めようと思って、終活ノートを買った。 けれど、いざ書こうとしたら、死に対する恐怖で身体が固まってしまった。 結局、書き進めることができなかった。 そういう相談だった。 ⸻ それに対して、中村うさぎさんは、自分には死に対する恐怖や執着があまりない、というような話をされていたらしい。 一度、意識を失って倒れた時も、気がついた時に、 「なぜ死ななかったんだろう」 と思ったという。 たしかに、考え方によっては、それは理想的な死に方なのかもしれない。 長く寝たきりになるわけでもない。 延々と苦しむわけでもない。 ふっと意識がなくなり、そのまま向こうへ行く。 妻も、それにはかなり同意していた。 そして、私も少しわかる気がした。 ⸻ 私自身も、死そのものに対する恐怖はあま
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6月30日読了時間: 3分


無自覚を、自覚に変えていく
先日、二ヶ月ぶりにディエゴとアルダナのレッスンを受けた。 別に、こちらがサボっていたわけではない。 彼らがヨーロッパ、アジアとツアーに出ていて、日本にいなかったのだ。 その間も、自分なりに練習はしていた。 タンゴも踊っていた。 それでも、やはり彼らのレッスンは特別だと思う。 ⸻ これまで、多くのプロのタンゴダンサーと踊ってきた。 もちろん素晴らしい人もたくさんいる。 ただ、中にはどうしても、 「踊ってあげている」 という感じが出てしまう人もいる。 プロだから当然うまい。 身体も動く。 技術もある。 でも、どこかでこちらが観客になってしまう。 一緒に踊っているようで、実は相手の踊りを体験しているだけになる。 ⸻ アルダナは、そこが違う。 私と踊ったあと、彼女はいつもディエゴに聞く。 「私たちの踊り、どうだった?」 というような感じで。 そこに、少し驚く。 彼女にとってタンゴは、本当に二人で踊るものなのだと思う。 リーダーとフォロワー。 どちらか一人の踊りではない。 二人の間に、踊りが立ち上がる。 彼女は、いつも開かれている。 相手に対して。 その場
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6月29日読了時間: 3分


水没した相棒と、紙一重のタイミングの進化の速さ
先日、3年前に購入したMacBook Proが見事に水没した。 どうしようもなくなり、Apple Store表参道店を予約して持ち込んだ。 診断結果はシンプルだった。 「完全に水没しています。修理するなら20万円以上かかります。」 それなら買い替えた方がいい。 そう思って話を聞いていると、スタッフの方がこう言った。 「このスペックでしたら、今のMacBook Neoで十分ですよ。」 正直、かなり衝撃だった。 3年前には25万円近くしていたMacBook Proが、今ではエントリーモデルと同程度の性能になっているという。 テクノロジーの進化とは、本当に恐ろしい。 私は普段、動画編集のような重い作業はほとんどしない。 ブログを書き、メールを書き、AIを使い、一番負荷がかかるのはZoomを2時間ほど繋ぎっぱなしにするくらいだ。 それならMacBook Neoで十分だという。 スタッフの説明にも納得し、その場で購入を決めた。 続いて勧められたのがAppleCareだった。 3年間で約2万円。 「入られますか?」 そう聞かれたので、私は逆に質問してみた。.
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6月28日読了時間: 2分


十秒の時差
昨日は、日本対スウェーデンのワールドカップだった。 朝8時キックオフだったので、7時には起きて準備を始めた。 二階に寝室がある私たちは、いつも一階にいるお義父さんの存在を少し気にしながら暮らしている。 下へ降りると、お義父さんはすでに新聞を読み、テレビをつけて試合が始まるのを待っていた。 私はそそくさと準備を済ませ、自分たちの部屋で試合を見ようと思った。 ところが、プロジェクターが起動しない。 「ファン異常」と表示され、何度試しても同じだった。 仕方なくエアコンをつけ、本体を少し冷やして様子を見ることにした。 その間は、お義父さんと一緒にダイニングで試合を見ていた。 しばらくすると、プロジェクターも無事に起動したので、自分たちの部屋へ戻って観戦を続けた。 前半は0対0。 試合は静かに進んでいた。 ⸻ ハーフタイムになり、二階で寝ていた妻を起こしに行った。 「試合見てるの?」 「うん、自分たちの部屋で。」 そして私は何気なく言った。 「お義父さん、相変わらず何が起きても無反応なんだよ。」 ゴールが決まりそうになっても。 惜しい場面でも。 ただ静かに
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6月27日読了時間: 3分


親の介護で、一番大切な人
施術をしていると、親の介護をされている方がよく来られる。 そして、多くの方に共通していることがある。 疲れている。 身体だけではない。 心も疲れている。 話を聞いていると、自分の時間がほとんどない。 親のために動き、病院へ連れて行き、食事を作り、様子を見て、一日が終わる。 気づけば、自分のことは後回しになっている。 それも無理はない。 親だから。 育ててもらったから。 恩があるから。 そう思えば思うほど、人は自分を犠牲にしてしまう。 ⸻ 私は、親を大切にすることを否定したいわけではない。 むしろ、とても大切なことだと思っている。 私自身も、両親と関わる時間は多い。 だから、その気持ちはよくわかる。 ⸻ ただ、施術を通して、一つだけ強く思うことがある。 自分が疲れ切っている人は、誰かを支え続けることはできない。 幸せでない人が、周りを幸せにし続けることも、難しい。 まず、自分自身が元気でいること。 それが結果として、一番長く親を支えられる方法なのだと思う。 ⸻ だから、介護を一人で抱え込まないでほしい。 国には制度がある。 介護サービスもある。 兄
Admin
6月26日読了時間: 2分
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